JIS規格のような1種、2種といった種類はありません。
5年ごとに規格が更新され、基準を満たしているヘルメットを公開しています。
- SNELL M2010認定(2010年基準合格)ヘルメット一覧
http://www.smf.org/certlist/std_M2010 - SNELL M2015認定(2015年基準合格)ヘルメット一覧
http://www.smf.org/certlist/std_M2015
SNELLの試験では、JIS規格より大きな衝撃を加えて、頭に伝わる衝撃を計測します。
大きな衝撃を加えるにもかかわらず、頭に伝わる衝撃の許容値は、SNELLが243G~275G以下、JIS規格が300Gであり、SNELLのほうが厳しくなっています。
たたし、JIS規格には、150Gを超える衝撃が時間が4ミリ秒以内」という規定もありますが、SNELL2015には継続時間の規定はありません。
SNELL M2015
安全性能
以下の8項目の性能基準が制定されている。
- 衝撃吸収性能
- ヘルメットに頭の重さ(60cmサイズで5.6㎏)に相当する重りを入れた状態で落下させる。
- 1回目は秒速7.5m(高さ3.06メートルからの自由落下で秒速7.5m、時速27㎞になる)で衝突させる
- 2回目は秒速7.06mから5.02(時速18㎞、高さ2.56mから1.28mからの落下に相当)で衝突させる。
- 鋼鉄の落下させて衝突させる場所の形状は3種類のいずれかを使う。
- これらの衝突時の衝撃最大値が既定値を超えないこと
ヘルメットのサイズ 50 cm 52 cm 54 cm 57 cm 60 cm 62 cm 最大衝撃値 275 G 275 G 275 G 275 G 264 G 243 G
- 耐貫通性能
- 3kg±50gの先のとがったストライカーを秒速7.45±0.15m(時速で衝突させても4cm以上貫通しない帽体であること
- 衝突させるストライカーの先端は直径1㎜の半球状に尖った先端を持つ
- 衝突させるストライカーの固さは高級包丁波の固さ(ロックウエルHRC硬度60±3)
- 衝突させるストライカーの形は先端が60度の角度で高さ38㎜の三角錐形
- 3kg±50gの先のとがったストライカーを秒速7.45±0.15m(時速で衝突させても4cm以上貫通しない帽体であること
- シールド強度
- 1グラムの鉛の粒を、時速500キロで、フェイスシールドの表面に垂直な方向から衝突させても、鉛の粒がシールドを貫通してヘルメット内部に入らないこと。
(JISは200gの鉄球を1mの高さから落下させて衝突する試験) - フェイスシールドの中心線と中心線のいずれかの側の80 mmの少なくとも3つの異なる場所で試験を行なわなければならない。
- 1グラムの鉛の粒を、時速500キロで、フェイスシールドの表面に垂直な方向から衝突させても、鉛の粒がシールドを貫通してヘルメット内部に入らないこと。
- ストラップの強さ
ストラップが簡単に緩んだり、伸びたりしないこと。 - 脱げ落ちにくさ
衝撃が加わっても簡単に脱げないこと - 脱げやすさ
- 事故が起きた時に、救急隊員などが簡単に脱がすことができるか
- ヘルメットのストラップなどが外れない状態になっても、はさみ、簡単なナイフ、マイナスドラバなど簡単な工具だけで、ヘルメットを脱がすことができるか
- 事故が起きた時に、救急隊員などが簡単に脱がすことができるか
- アゴガードの耐衝撃性
- フルフェース・ヘルメットは、アゴガードの耐衝撃性試験をする
- 平らな打撃面を有する5kgの重りを、秒速3.5m(時速12.6㎞)でアゴガードに衝突させても、6cm以上たわみができないこと、ライダーが怪我を負うような壊れ方をしないこと
- 分解検査
- ヘルメットを分解して、目視検査をする。
- ヘルメットに相応しくない構造だった場合不合格とする
- ヘルメットの内部突起が、ライダーに過度の切り傷、刺し傷をもたらすと思われる場合不合格とする
形状・形の規定
- 外側の表面が滑らかであること。
- 外側に7㎜以上出っ張る部分は、衝突時に簡単に壊れること
- 接線方向の摩擦が少ない外側表面であること
- リベットが突出する場合2mm以上突出しないこと
- 内側の表面が滑らかであること
- 頭に傷害を与えるようなリベット等の固い突起がないこと
- 左右各105度づつ左右合計210度、上方向7度下30度合上下計37度
(JISは上下合計52度なので、SNELLのほうが上下方法の視界が狭い)
保護範囲
- 衝撃保護能力は、可能な限りヘルメット全体で均一とすること
保護範囲は、灰色の部分。
衝撃テストを行うのは、保護範囲のうち「TEST LINEより上部」に限定
(JIS規格よりテスト範囲が広い)
ヘルメッ サイズ |
各部の長さ | ||||
a | b | c | d | e | |
50 cm | 39.0 mm | 128.6 mm | 26.1 mm | 46.8 mm | 52.2 mm |
52 cm | 40.6 mm | 133.8 mm | 27.2 mm | 48.4 mm | 54.3 mm |
54 cm | 42.2 mm | 139.0 mm | 28.2 mm | 50.0 mm | 56.4 mm |
57cm | 45.2 mm | 148.4 mm | 30.0 mm | 53.0 mm | 60.0 mm |
60 cm | 47.4 mm | 155.8 mm | 31.5 mm | 55.2 mm | 63.0 mm |
62 cm | 49.2 mm | 161.5 mm | 32.2 mm | 57.2 mm | 64.5 mm |