SUZUKI GSX-S750 ABS

GSX-S750 ABS 2017年モデルのインプレ

スズキ GSX-S750 ABSで、460㎞ほど走ってみました。

高速道路、奥多摩、柳沢峠、道志みち、山伏峠、富士スバルラインなどを走り、途中から雨が降り出し豪雨になり雨天走行もできました。

ワインディングを走るのが楽しくなる、素直で、力強いスポーティなネイキッドバイクでした。

SUZUKI GSX-S750_精進湖

曲げたくなるバイク

曲げ安く、曲げるフィーリングが楽しいです。
イン側に荷重すると、スーと自然に気持ち良く旋回していきます。

ステップに荷重したりタンクを押したりして車体のレスポンスを感じながら倒しこみたくなるバイクです。

高速道路も安定

警察には絶対会いたくない速度で高速巡航できます。
加速もよく、ギャッブや横風フラフラするようなことはありません。

大型クルーザーのような重さや直進性はないので、どっかり座って、まっすぐな道路を高速クルーズしたくなるようなタイプではありませんが、高速道路も楽しめます。

スラロームも快適
SUZUKI GSX-S750_富士山5合目
GSX-S750_富士山5合目

大きく加減速しながら早いリズムで左右に切替える白バイ競技会風のスラローム走行も楽しめました。
バンク角深いし、ハンドル切れ角も左右33度で充分あるし、回せばトルクもあるし、切れていくし、タイヤのグリップも十分だし、いい感じでした。

ただ、若干、フロントの沈込みが大きめな気がしました。
フロントブレーキ使わずリアを踏み込んだだけで、十分以上に前が沈みます。
どっかりとお地蔵様のように座っていると前のめりになってしまいますが、体を動かせば、気持ちよくスラロームできます。

開けると前が浮くような感じもあります。パワーがあるのと、サスのプリセット設定を変えてたことの両方が原因かも。
ピッチングの大きさは、車両の問題というより、慣れの問題のような気がします。

エンジン

SUZUKI GSX-S750_エンジン右側
SUZUKI GSX-S750
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レスポンスが早く気持ち良いエンジンでした。

アクセルあけてからパワーを感じるまでのタイムラグが無いので、キビキビした感じです。

エンジン回すと楽し

SUZUKI GSX-S750_ラジエター
SUZUKI GSX-S750
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一番おいしいのは10,000RPMくらい回した時な気がします。

積極的にギア落として、おいしい所を使ると、力がみなぎってくる感じです。

常用域もしっかりしてる

高回転がおいしいですが、3000RPMから5000RPMあたりも力があり快適です。

100㎞/hだと6速4500RPMくらいしかエンジン使っていませんが、100㎞/hで走行中に6速ホールドのままでアクセル開けても、力強く加速し、公道では出してはいけない速度領域に簡単に到達です。

超低速はやや細い

SUZUKI GSX-S750_富士浅間神社
GSX-S750_富士浅間神社

極低速は割と細い感じです。
減速してエンジンの回転が落ち切った後に、2速、3速のまま再加速しようとすると、スカスカします。

4気筒749㏄のR749エンジンは、最高出力を112馬力まで抑えて、その分低中域でのトルクをアップしたエンジンだそうですが、3千RPMから下のトルクはそうでもない感じです。

「ローRPMアシスト」は微妙

「ローRPMアシスト」機能で、低回転走行時に、エンジン回転数をわずかに上げるそうです。

エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を元に、自動的に回転数上UPさせるのが「ローRPMアシスト」。アイドリング回転数の設定を上げるより、「ローRPMアシスト」のほうが燃費が良くなるのかもしれません。あるいは、極超低速のトルクを補うためなのかもしれません。

「ローRPMアシスト」ご利益を実感する場面はありませんでした。
渋滞の高速道で30㎞ほどすり抜けをした時とか、市街地での渋滞中とかに、存在も感じさせず密かにアシストしてくれていたのかもしれません。

燃費

リッター18㎞くらいでした。
タンクは16リッターですので、空になるまで走るなら300㎞くらいは走れます。
レンジ表示があるので、あと何キロくらい走れるかわかります。

燃料はハイオクです。

サウンド

くせのないエンジン音です。
電気モーターのよう躍動感のない音でもないし、
ビックアメリカンのようなドコドコした音でもなく、
キンキンした音でもなく、トラクターのような迫力のない音でもなく、
文句のつけようが無い優等生のようなバイクらしい音です

座った感じは好感触

ホールド感良好

タンクホールド感良好です。踵でもピッタリホールドできます。
シートの幅が細く絞ってある場所に足の付け根がくるように前後の着座位置が固定され、踵から股関節までがバイクに張り付つ感じです。

シート

1日460㎞走行しましたが、お尻痛くなりませんでした。
適度な固さもあって快適です。

ふんわり柔らかいシートではありませんが、グラディウス400よりクッション性がだいぶ良く快適です。

足つき

SUZUKI GSX-S750_シート
SUZUKI GSX-S750

シート高は820mmで、やや高めですが、シート幅がギュッと絞ってあるので、820㎜にしては足つきは良好です。

  • 850mm V-Strom1000ABS
  • 845mm MT-09Tracer
  • 835mm V-Strom650ABS
  • 820mm GSX-S750
  • 820mm CBR600RR
  • 815mm MT-09
  • 810mm GSX-S1000F ABS
  • 805mm GSX1300R 隼
  • 800mm NC700S
  • 790mm-810mmバンディット1250 ABS(2段階調整式)
  • 785mm SV650 ABS 

乗車位置はネイキッド

ステップがやや後ろで、前傾ぎみな気もするけれど、座った感じはネイキッドの乗車姿勢です。ハンドルとの距離もネイキッド。

ステップが当たるかも

シート幅の一番狭い場所の真下にステップがあります。
ギリギリ足が着くような状態だと、足を下した時にステップが当たります。
足を下した時に、足を少し外に広げられる余裕があるなら問題ありません。

駆動系

トランスミッション

パワーバンドでトルクを楽しむためには、こまめなシフトが必要で、シフトチェンジの回数が多くなりがちなので、忙しい感じがします。

ミッションは、レシオカバレッジ2.426のクロスミッションです。
6足だけワイドに振っています。1速から5速までだと、レシオカバレッジは2.136です。

トラクションコントロール

SUZUKI GSX-S750_メーター(夜)
SUZUKI GSX-S750_メーター
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OFF、1(スポーツ)、2(ノーマル)、3(低ミュー路)の4段階を選択して設定可能です。設定値がメーターに常時表示されています。

走行中でもハンドルから手を離さずに設定変更ができるので、雨の中では2、それ以外は1で走っていました。

雨の峠も、雨の高速道路を走りましたが、タイヤが流れることはありませんでした。トラコンが介入して滑らないのか、タイヤのグリップが良いから滑らないのかハッキリしません。

濡れたペイントの上でアクセル開けてみて、トラクションコントロールを試してみたりしてはいません。

足回り

サス

グニャグニャ感はありません。
ギャップで弾んでしまうようなことももなく、いい感じです。

加減速に伴うピッチングは多めなきもしましたが、お好みでプリロードを調製すれば良いレベルです(プリロードの調節はできますが、サスの減衰力調整は前後とも出来ません)。

ブレーキ

ABSの介入は前も後ろも自然でした。

介入が早すぎるとか、ABSのせいで踏ん張れないといった感じはありませんでした。

ラジアルマウントで見た目も強そう

フロントはダブルディスクで、NISSIN製のキャリパー対向4ポッド。
キャリパーの両側を車軸から放射状の位置でしっかり固定するラジアルマウントです。
フロントフォークでキャリパーを固定する従来型マウントより、強力そうな見た目が好感触です。
後輪はシングルディスクです。

タイヤ

峠でも、雨の中でも、不満のないタイヤでした。

タイヤサイズは、前後17インチ。

標準タイヤのBATTLAX HYPERSPORT S21は、時速400km、バンク角60度まで対応できるハイグリップタイヤというだけでなく、肩の部分を小径にして尖った感じにしたタイヤだそうです。タイヤ交換の時にも、このタイヤ指定するのが吉出だと思われます。

ボディ

フレームは鉄

フレームやスイングアームが鉄製ですが、安っぽい感じはしません。

ただ、鉄なので重くはなっています。
アルミキャストフレーム、アルミスイングアームを採用したGSX-R750はカウルもついていますが、S750より軽くなっています。

  • 229 kg Kawasaki Z800
  • 220 kg Honda NC750X ABS
  • 219 kg SUZUKI GSX-S750
  • 212 kg SUZUKI GSX-R750
  • 209 kg SUZUKI GSX-S1000
  • 202 kg BMW F800R
  • 200 kg Ducati 959パニガーレ
  • 193 kg MT-09 ABS

GSX-S1000も、S750より10㎏軽い209㎏です。
MT-09の軽さは別格です。

とはいえ、走っていて車体の重さを感じることはありません。軽快です。

取り回し

GSX-S750は、213kg。200㎏以下の車両と比べると押したり引いたりする時の重さは感じます。
重心が高いことのよる、取り回しにくさもあります。

荷物はほとんど積めない

リアシートは小さいので、シートの上に大きなシートバックを載せるのには不向きです。小型のシートバックでギリギリでした。

荷物を固定するネットや紐のフックをかける場所もありませんでした。
リアシートの下に平らなベルトを通して固定しました。

タンデムするとしたら、後ろの人がグリップできる場所が無いので、乗ってる人は不安かもです。手をブラブラさせて乗っているか、ライダーに抱き着くしかありません。

シート下はETCと車載工具でいっぱいです。軍手くらいならはいるかも。

ヘルメットフォルダー

ヘルメットフォルダーはリヤシート裏にあります。

リアシートの鍵穴は、目立つ所にあるので、リアシートの開け閉めは容易です。
しかし、リアシートに荷物乗せてる時に、リアシートを開けてヘルメットフォルダーを使うのは面倒です。

質感良好

チープな感じはありません、フレームをスチールにしたりしてコストを抑えた設計だということですが。

アルミ製のペダルに黒い塗装がしてあります。アルミ色のままのMT-09 Tracerなどより良い感じです。

GSR750のスイングアームのような角材っぽさはありません。
スチールフレームも良い感じの塗装です。

マッドブラックのホールには、赤いリムテープが入っていて良いアクセントですが、ホイールのペイントがテラテラ光る黒で、微妙な感じです。ました。

目立たない部分の手抜きもなし

車体の下側を見ても、アンダーカウルや4in1のエキパイ、ラジエターなどが絵になります。

GSX-S750には目立たない部分の質感の低下は、みあたりませんでした。
MT-09 Tracerは、カウルの中を下から見ると、汎用品の四角いラジエターや真鍮色の汎用ホーンが見えていていて、コスト削減感がアリアリと伝わってきます。。

足が濡れない

雨が足にかからない。膝から上は、信号待ちや、上着から落ちてくる雨でぬれる。靴は防水の必要ない

電装系

メーター

SUZUKI GSX-S750_メーター
SUZUKI GSX-S750
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メーターはモノクロ液晶のフルデジタルです。
GSX-S1000やSV650と同じメーターです。

メーターには、全部の情報が常時表示されています。

シンプル表示とか、詳細表示とかの切替はありあません。
小さな面積に全部表示しているのでガチャガチャした感じです。

ヘッドライト

ヘッドランプは、LEDの青白い光です。

バイク生活にまつわる出来事