「パーツ」タグアーカイブ

バイクのパーツや機能、機構

タイヤの交換の目安

タイヤはどのくらいで交換するのかは、人それぞれ

ライダーのみなさんが、交換の目安としている条件を箇条書きにしてみました。

  • スリップサインの高さまでタイヤが削れてきたら
  • 一定の走行距離を走ったら
    • ハイグリップタイヤで3000kmくらい走ったら
    • 主に峠など加減速が多いルートを5000kmくらい走ったら
    • 主に直線が多く加減速少なめのルートを10000kmくらい走ったら
  • 溝が浅くなってきたなぁと思ったら
  • 走ってなくても3年経ったら
  • タイヤに細かいひび割れや変形が出てきたら
  • タイヤが不均一に減って形が変だと思ったら
  • 指で押してみてゴムが固いかも?と感じたら
  • 定期点検でバイク屋さんにタイヤ交換を勧められたら

続きを読む タイヤの交換の目安

デュアルパーパスタイヤ

オフロードへの対応力を強化しつつも、オンロード走行性能も残しているデュアルパーパスタイヤ、Heidenau K60BMW F700GSに装着して、オーストラリア縦断します。

オンロード対応力とオフロード対応力の比率が、50対50なのので、50/50タイヤとか呼ばれているようです。Hidenauは、 Dual SportOff Road タイヤと呼んでいます。

BATTLE WING BW-501などのようなBMWのGSシリーズのスタンダードタイヤは、70/30 でオンロードの比率が70%なので、Heidenau K60よりオンロード指向のタイヤです。

Heidenau K60は、耐久性も良好で、1万キロ超えても限界が来ないようです。今回は、6750kmのツーリングなので、耐久性もありがたいです。 続きを読む デュアルパーパスタイヤ

クラッチが重い

ハーレーのクラッチが重いので、クラッチを軽くする方法をまとめてみました。

軽くする多種多様なパーツが有りますが、クラッチの軽さ優先伝達容量優先/クラッチレバーの動きの小ささ優先とか、モード設定があってスイッチで切替えられる仕組みは見当たりませんでした。

走行モードを切り替えられるトルクコントローラや、サスの設定をスイッチで切り替えられるで電子サスのように、スイッチでモード切替ができるクラッチも開発して欲しいと思いました。 続きを読む クラッチが重い

クラッチを軽くする方法

固くて重いクラッチを軽くする方法をまとめました。

  1. 整備
  2. 調整
  3. クラッチ軽量化対応パーツに交換
    1. クラッチ・スプリング交換
    2. クラッチ・ランプ交換
    3. クラッチレバー交換
    4. スリッパークラッチに交換
  4. 改造
    1. 油圧クラッチに交換
    2. クラッチケーブルレバーの延長
    3. VPクラッチに交換
    4. イージークラッチ取り付け
  5. 操作方法で対応

整備

手入れをするとクラッチが軽くなることもあります

  1. クラッチのワイヤーのグリスアップ・交換
    ワイヤーが錆びていたり、油切れで重くなることがあります(ワイヤー式/機械式のクラッチの場合)
  2. ミッションオイル交換
    オイルが劣化すると、クラッチの切れが悪くなることがあります(湿式クラッチの場合)
  3. クラッチプレートとフリクションディスクの点検
    クラッチプレートとフリクションディスクの歪や、表面の荒れでクラッチの切れが悪くなることがあります。
  4. クラッチハブの点検
    クラッチハブのプレート当り面が偏摩耗していたり打痕があったりすると、クラッチの切れが悪くなることがあります。

調整

  1. クラッチレバーの調整
    • レバーの向き(握る方向の調整)
      図Aのように手首を曲げてクラッチレバーを握るより、図Bのように手首を曲げずにクラッチレバーを握れたほうが、クラッチを握りやすく、軽く感じるし疲れにくくなります。
      握力測定を、手首を曲げ行った場合、手首を伸ばして行った場合で比較すると、手首を曲げた時の握力が小さくなることからも、手首を伸ばした位置が握りやすいことがわかります。
       
    • アジャスターの調整
      クラッチレバーのアジャスターを調整して、クラッチが切れる位置を、好み合わせると軽く感じることがあります。
      握力測定の基準は、「人差し指の第2関節が,ほぼ直角になるように握りの幅を調節」しての測定です。
       
  2. クラッチレリーズの調整整備
    • アジャスティングスクリューの点検と調整
      クラッチレリーズ
      クラッチレリーズ
      アジャスティングスクリューが摩耗しているとクラッチが重くなることがあります。
      アジャスティングスクリューやナットに摩耗があれば交換するとクラッチ切りやすくなります。
       
    • プッシュロッド交換
      摩耗していると、クラッチの切れが悪くなり重くなることがあります。曲がってしまっていても同様。
      摩耗や曲がりがあったら交換するとクラッチ切りやすくなります。

クラッチ軽量化対応パーツに交換

オリジナルのバイクにあるパーツを特性の違うパーツに交換することよってクラッチを軽くする方法です。

クラッチスプリングを弱いものに交換

クラッチスプリングを弱くすると、クラッチが軽くなります。

クラッチ・スプリング(ダイヤフラム・スプリング)
クラッチ・スプリング(ダイヤフラム)
クラッチ・スプリング(コイル)
クラッチ・スプリング(コイルスプリング)

だだし、スプリングを軽くすればするほど、伝達容量が小さくなり滑りやすいクラッチになってしまいます。

純正より弱いスプリング(握りを軽くする)も、強いスプリング(クラッチの滑りを無くす)も、多種類が販売されています。

多盤化とクラッチスプリングの同時交換

クラッチプレートとフリクションディスクの枚数を増やすと接触面積の合計が広くなるので、初期荷重の小さな弱いクラッチスプリングに変えても、大きなパワーをかけてもクラッチが滑らないだけの伝達容量を確保できます。

純正より薄くて数が多いクラッチプレートとフリクションディスクと、クラッチスプリングを、クラッチキットが販売されています。
なお、クラッチを軽くする方向ではなく、伝達容量増加を指向するレース用の多盤化キットだと、スプリングは軽くなっていないので、クラッチレバーも軽くならなりません。

ただし、枚数を増やすとクラッチハウジングに収まりませんので、枚数を増やすためには、ディスクを薄くする必要があります。
薄くすると耐久性の確保が難しいという課題があります。
薄くしても強度と耐久性を損なわないために、パーツ屋さんは素材を工夫しています。

「クラッチランプ」の交換

「クラッチランプ」をクラッチを軽くするタイプのクラッチ・ランプに交換すると、クラッチを軽くすることができます。

クラッチランプ(MRC HD-0001)
クラッチランプ(MRC HD-0001)
キジマ HDライトクラッチキット
キジマ HDライトクラッチキット

クラッチを軽くるためのクラッチクランプは、数社から販売されています。

クラッチ・スプリングなどを交換しなくても、クラッチレバーを握る力は減ります。
軽くはなりますが、クラッチを切るためにはラッチレバーを深く握り込む必要があります。レバーの移動距離が長くなるので、切れが悪くなったように感じることもあるかもしれません。

ハーレーの「リデュースエフォート・クラッチキット」
Harley Reduced Effort Clutch Kit

ハーレーが販売している純正「リデュースエフォート・クラッチキット」には、クラッチクランプが入っています。
このキットには、クラッチランプとともに、クラッチスプリング(ダイヤフラムスプリング)も同梱されています。

 

クラッチレバーの交換

太くて握りにくいクラッチレバーから、握りやすいクラッチレバーに交換すると、クラッチの操作が楽に感じることがあります。

右の写真の上がハーレー純正のレバー、下が細くレバーです。
握りやすいと、力を出しやすくなりますが、クラッチを切るのに必要な力は変わりません。

スリッパー・クラッチに置換

スリッパー・クラッチには、バックトルクを抑制するスリッパー機能だけでなく、アシスト機能もあります。
HONDA, YAMAHA, KAWASAKIなどは、アシストスリッパークラッチと呼び、アシスト機能があることを明確にしています。

アシスト・スリッパー・クラッチ
アシスト・スリッパー・クラッチ

スリッパー側カムは、プレッシャーカムを浮かせる方法の力を生みバックトルクを抑制します。
アシスト側カムは、クラッチスプリングがクラッチプレートを押し付ける力と同方向の力を生み、クラッチの伝達容量を拡大します。

アシストスリッパークラッチなら、強力なクラッチスプリングではなく、弱めのクラッチスプリングを採用して、クラッチレバー操作に必要な力が低減することも可能になります。

パワーのある大型バイクでも、クラッチレバーの握りを軽くすることは、スリッパー・クラッチの採用によっても可能になります。

各種スリッパークラッチキット
各種スリッパークラッチキット

スリッパー・クラッチに交換するパーツも販売されています。
パーツが無くても、別車種の純正パーツを使うことが可能な場合があります。
例えば旧型のMT-09のクラッチを、2017年2月以降のMT-09 や、XSR900やの純正クラッチに交換すればアシスト・スリッパー・クラッチになります。

マイナーチェンジでアシスト・スリッパー・クラッチを追加採用したのは、MT-09、CB1100/CB1100 EX、CB1300、GSX-S1000/GSX-S1000Fなど多数あります。

改造

オリジナルのバイクに無いパーツを追加してクラッチを軽くする方法です。

ワイヤークラッチを油圧に

油圧クラッチ変更キットクラッチを、ワイヤー式から油圧式への変更するキットも販売されています。

完全に油圧にするキットと、ワイヤー油圧でワイヤーを引くキットがあります。

右の図は、クラッチハウジング内のレリーズ機構も完全に油圧に交換するキットです。

セミ油圧クラッチ、ハイブリッドクラッチ

ハウジング内はワイヤー式のまま、ワイヤー油圧でワイヤーを引く、セミ油圧クラッチとか、ハイブリッドクラッチなどと呼ばれるタイプの交換パーツもあります。

クラッチワイヤーを引く力を油圧でアシストするので、軽くなります。

クラッチハウジングの外からワイヤーを引くので、クラッチハウジングの形に関係なく、ほとんど全てのバイクに取り付けられます。

クラッチレバーからクラッチハウジングまでのワイヤーが、油圧ホース交換されると、ワイヤーの錆や油切れでクラッチが重くなることがありません。

クラッチケーブルレバーの延長

クラッチハウジング内にあるクラッチケーブルレバーを延長して、クラッチを軽くする部品も販売されています。
レバーが長くなれば、てこの原理でクラッチを握り力は小さくなります。

クラッチハウジング内へのパーツ追加ですので、ハウジング内の空間に余裕がある車種でのみ可能です。

クラッチケーブルレバーを延長により、クラッチレバーが軽くなりますが、クラッチを切るためにはラッチレバーを深く握り込む必要があります。
レバーの移動距離が長くなるので、切れが悪くなったように感じることもあるかもしれません。

イージークラッチ

クラッチケーブルの途中に設置して、テコの原理でクラッチを軽くする箱が、イージークラッチです。

何種類か販売されていて、色のバリエーションがある製品もあります。

作用点と力点の距離を離すほど、軽くなりますが、クラッチレバーの移動量が増えます。
クラッチが切れる位置が、レバーを深く握る位置になるので、クラッチの切れが悪くなったと感じる人もいます。

VPクラッチ

ノーマルのリテーナーをVPクラッチ置換することにより、低速時のクラッチを軽くすることができます。

クラッチスプリングとして使われているダイヤフラムスプリングを押さえつける位置が、エンジンの回転数の上昇に応じて変化するリテーナーがVPクラッチです。
VPクラッチは、ダイアフラムスプリングを、ノーマルリテーナーより内側で押えます。内側で押さえると、弱い力でダイヤフラムスプリングを押し下げる事ができるので、クラッチが軽くなります。
回転数が上昇するにつれ、押さえる位置が、ダイヤフラムを外周側に移動するので、プレートを押さえつける圧力が増大します。低回転では低圧力、高回転では高圧力になります。

右のグラフは、クラッチプレートを押さえつける荷重のエンジン回転数による変化です。

VPクラッチにより、低速時はクラッチレバーが軽くなると同時に、高速時は大きなトルクを加えてもクラッチが滑りにくくなります。

クラッチハウジング内に重りを入れる空間が必要です。
エンジンの回転によって重りの位置が変わるので、ハウジングに当たるかどうかは、エンジンを高速回転してみないと確認できません。

重いクラッチに、操作方法で対処

重いクラッチは、手だけで握るのではなく、肩も腕使って引くとい良いという意見もあります。

左肩を引きながらクラッチ切ると、小さい握力でクラッチを切れますが、姿勢崩れて乗りにくくなることもあります。
特に、右旋回の中に、左肩を引くと旋回しにくくなります。

重いクラッチに肩で対処するのは、クラッチ切るために左肩や腕を引くことが厳しく感じるような乗り方はしない前提での対処方法だと思われます。