YAMAHA BOLT

ヤマハのボルトで、900㎞ほどツーリングしてみて感じた、BOLTのインプレションです。

ODDメーター3㎞の新車でしたが、遠慮なく走りました。

峠も平地も雨の中も街中も走ってみた感想・インプレッションです。

走ったのは東名-西湘バイパス-箱根-朝霧高原-富士五湖-道志みち-中央高速-東関東道-犬吠埼-外房など合計922kmです。

コーナリングは快適

シートの横幅が広いので、お尻の右側、左側に荷重する感じで、シートの左右に荷重を移すと、バイクが素直にバンクしていきます。

低重心なので荷重移動に対する過敏さはなくて安定あります。

体をイン側に入れて寄りかかっていくように、ジワーっとてゆったりとした感じです。

峠道も楽しく走れた気持ちの良い曲がり心地は、ホイールベースは、1,570mmと短めなことや、前後にコンパクトにまとまっていること、19インチと大きめなフロントタイヤ、キャスター角が29度とアメリカンとしてはやや立ぎみなことなどの御蔭かもしれません。

キャスターとトレールは、
YAMAHA BOLT :29度/130mm
Harley iRON883:26度/117㎜
Harley Roadstar:28.9度/140㎜
Harley LowRider:30.5度/128.3㎜
Harley Street750:32度/115㎜
Harley DynaWideGlide: 34度/132㎜
HONDA シャドウ750:34度/161㎜

お尻でのシートへの荷重とブレーキで曲がっていけますが、足を前に投げ出すようにしてステップに置いているのでステップ荷重はしにくいです。

ニーグリップはできません。
エアインテークなどが足にあたり、膝でタンクに触れることさえ無理です。
右は、タンクを上から撮った写真です。

グリップはできませんが、エアクリーナのハウジングなど足が当たる部分を押してイン側に倒し込むことはできます。

浅いバンク角なのでサイレンサーに気を使う

気持ち良くジワーっとバンクしていくと直ぐにステップをこすります。

ステップ裏にバンクセンサーないので、ステップが接地するとステップが削れてしまいます。
右の写真は、左と右のステップ裏側です。気を付けていたのに、何度かこすっちゃいました。

接地しても安定感が損なわれることなく、グリップ感もあるので、そのまま走っちゃいそうになりますが、ステップ削りながらバンクしていると、右側は、サイレンサーも接地して削りそうなので、車体をあまり寝かさないように特に気を付けて体インに入れて走りました。

峠の小回りだけでなく、Rの大きな高速コーナーもバンク角を気にしてました。

サイレンサーは低い位置に水平についていますが、長さは短めなので、縁石のような段差を降りる時にサイレンサーの後端をぶつける心配はありません。

ブレーキはマイルド

フロントブレーキを使うと、ナチュラルにハンドル切れていきます。

あえて急制動してみるとブレーキは前後ともにマイルドです。

特にフロントの効きがマイルドです。

マイルドですがツーリングでは全く問題ないですし、フルブレーキしてみて慣れておけば気になることもありません。

エンジンはドコドコ感が楽しい

V型二気筒のドコドコ感が楽しいエンジンです。

バランサーレスのエンジンがフレームに直接マウントされているので、振動もばっちりです。

ベルトドライブなので、チェーンのシャリシャリする音に邪魔されずエンジン音と振動を楽しめます

高めのギアで回転数下げるてもエンストしないトルクがあるので、ドコドコ感を割り増しで楽しめました。

長時間、高速道路を高速巡航した時は、振動が嬉しくないとも思いました。
シートがフカフカなので、お尻から振動は伝わりませんが、手足には振動が伝わってきます。

風あたりが強いこともあって、疲れます。

ギアは5速までです。クラッチが固さやシフト感にクセは感じませんでした。

雑なギア選択でもエンストしないトルクがあります。

パワーは十分

出力は52psですが、十分パワーを感じます。

高速で先頭走れるパワーも、峠の登りも積極的に走れるパワーもあります。

アクセルを開けると滑らかにパワーが出てきます。

仕様の数値を見ても、アメリカンとしては十分です。

  YAMAHA
BOLT
ハーレー
Roadstar
ハーレー
iRON 883
YAMAHA
MT-09
HONDA
CB1100
出力 52 ps 55 psくらい 53 psくらい 116 ps 90 ps
トルク 80 N・m 90 N・m 68 N・m 87 N・m 91 N・m
車重 252 ㎏ 258 ㎏ 256 ㎏ 193  ㎏ 252 ㎏

 

熱はヒドイ

真夏の30℃越える天気で走ると、右足が火傷しそうに熱くなります。

高速道路で風を切って走っている間は問題の無いレベルですが、時速40キロ以下で走り続けることになるとピンチです。50km/hくらいでも辛いです。

右足を、エンジンから遠ざけて、ステップの一番外側の端に足裏の一部がかろうじて引っかかる位置まで外側に離しても暑いです。

真夏の市街地は右足が辛いです。
最悪だったのは首都高C2の地下トンネルです。気温が高いとエンジンの熱はさらに激熱になってピンチでした。本当に足が焼けます。

耐熱性の無いゴムの靴だったら溶けてたと思います。

止った後の熱も激烈です。

停車中にエアバックのストラップをシートの右側に垂らしていたら、溶けて使えなくなりました。

右だけ異常に暑いのは、エキゾーストパイプが右足の下を通って前に行って前で合流し2-in-1になってからUターンしてまた右足の下を通ってサイレンサーにつなげているからだと思われます。

左足の下にはエキパイ通っていません。

雨と風は体で受け止める

120㎞くらいから先は、風が強いので、アメリカンなのに前傾したくなります。

雨も全身に当たります。

一緒に走ったハーレーのシールドがうらやましく感じました。

BOLTにもオプションのミニカウルがありますが、小さいカウルでも良いから欲しいなぁと思いました。

荷物はつめません

シートは、前も後ろも外れませんのでシート下には何も入りません

左サイドにかろうじて工具が収納できますが、極めて狭い上に開け閉め大変なので、収納の役にはたちません。

シートバックも取り付けることができません。リアシートが外れないうえに、リアシートまわりにフックをかける場所もありません。

リアフェンダーのフチにフックをかけられますが、フックでフェンダーに傷をつけてしまいそうです。

ガムテープはったり、フックをビニールテープで巻いたりして傷防止してシートバックを付けました。

リアシートが小さいので、大きなタンクバックは付けないほうが良さそうです。

タンクバックは試してませんが、綺麗なティアドロップ型のタンクなので、タンクバックも厳しそうです。

荷物を積むなら、ステーを取り付けサイドバック/ツーリングバックを付けないと厳しいかもしれません。

ヘルメットフォルダーは左側の後輪車軸の上あたりについています。

座り心地は良好

とても低いシートに座って、足を前に出して、前方のステップに置く感じのアメリカンなポジションです。

BOLTのシート高69cmは、ハーレーiRON 883の73.5cm、ロードスターの78.4cmより低くなっています。

普通に座っている状態で、後ろに乗っている感じで、フロントが軽く感じます。
加速するとフロントがスーっと伸びてきますが、フロントタイヤが遠くにあるので、モーメントが大きくフロントアップするほどではありません。

シート

フカフカでサドル型のアメリカンなシートです。

極厚で特大な感じはなく、タンクなどとのバランスを考慮した大きさですが、座り心地はフカフカです。

1日500㎞走っても痛くなりませんでした

雨も降りましたが、シートに水が溜まるほど凹んでもいません。

ハンドルとグリップ

ハンドルが意外に前にあるので、上半身を後ろに倒して後ろに寄りかかるような姿勢だと、ハンドルに手が届きません。

バックレストつけるなら、ハンドルも考えたほうが良い感じです。

グリップは心もち太い気がします。

クラッチの固さは標準的です。固くて握力の消耗が早いようなことはありません。

きし麺のように平らなレバーの使用感は、うどんのような棒状と比べて優劣ありません。

取り回し

軽い感じはしませんが、重心が低いので、フラつかず扱いやすく感じます。

車幅

車幅に気を使わずに、普通にすり抜けできる幅です。

デザインを大切したバイク

タンクはティアドロップ型

スリムでキレイなティアドロップ型タンクが、良い感じの傾斜でついています。

燃料キャップもレトロな感じのメタルキャップです。

エンジンまわり

空冷のV型二気筒エンジンの深い空冷フィン、雰囲気のあるエアーフィルターのハウジング、ベルトドライブもアメリカンテイストです。

シートはサドルシート

シートは、タンクなどとバランスのとれた大きさのサドルシートです。
極厚で特大ではありませんが、雰囲気が絶妙です。

シンプルでスタイリッシュなメーター

メーターはシンプルな丸型のメーターが1つです。
メタル感のある銀色の縁の中にモノクロ液晶に速度が表示されてます。

速度以外は、距離か時刻のどちらかが表示されるだけです。
シンプルで良い感じのデザインです。

ガソリン残量や温度などの警告等も何個かありますが、点灯しない限りは黒くなっているので見えないので、ガチャガチャした感じにはなりません。

ディテールにもこだわり

丸い1つ目のヘッドライト、テールランプも丸型、スチールの短めのフェンダー、横に長く出るサイドスタンド、きし麺のような幅広クラッチレバー、タンク下に隠れるように付いているイグニッションキー、バンクセンサーの無いステップなどもアメリカンらしいデザインだと感じました。

機能性は割り切りが大切

デザインを機能性より優先しているので、機能性は割り切りが必要です。

燃料計

燃料計はありません、残量が少なくなるとオレンジ色の警告ランプが点灯するだけです。

警告ランプが点灯すると、点灯してからの走行距離が表示されます。点灯してから何キロ走ったかはわかりますが、あと何キロ走れるかは判りません。

とはいえ、タンク容量が13Lあり、燃費がリッター20から30㎞なので、空になるまで250㎞くらいは走れます。

燃料計はありませんが、だいたい200㎞毎に給油できればガス欠の心配ありません。

とはいえ、首都高で残燃料警告灯が点灯してしまいました
燃費がリッター20から30キロとけっこう変動します。
山道や平地という地形に加えて、のんびり走ったり、ガンガン走ったりと、走り方でだいぶ燃費が変わるので、距離から燃料消費量を推定しても精度が良くありません。

警告灯が点灯してから、50㎞程度は余裕で走れると思うのですが、東関東道まで抜けるので、給油のためにいったん首都高降りました。

100㎞走ったらGS探し始めて、GS見つけたら即給油、という走りをすれば問題ないだろうとは思います

キー

イグニッションキーはタンク下にあります。
ハンドルロックはヘッドライト裏に別置きです。
この2つのキーホールが右の写真に写っています。
どちらもヒッソリ設置されていて目立たないように配慮されています。

空冷エンジンの排熱に足が焼けそうだった時に信号待ちの都度エンジン切っていた時は、キーの位置がハンドル中央あたりだったら便利だとは思いました。

イグニッションとハンドルロックが別々な点も、ハンドルロックを必ずする人には面倒かもしれません。。

キーにキーホルダーとかキーストラップ付けると、走行中の風でタンクに当たります。

キー紛失防止タグとか付けたい人はあきらめたほうが良いと思います。

ETCは中に入れたい

シートもタンデムシートも開かないので、シート下にスペースはゼロ。サイドに薄い工具入れありますが、ETC入りません。

ETCを積載するスペースがないので、ETCはハンドルに付けるタイプです。
カギ無いので誰でもカード持っていけます。ちょっと心配。

ハンドルにETCが付いているは、見た目てきにも好きじゃないです。

 

国産アメリカンは軒並み生産終了です。ホンダのVT1300やシャドー、スズキのブルーバードやイントルーダークラシック、ヤマハのVMAXなど国産アメリカンが次々消えていく中で、アメリカン買うならハーレーっていう流れに乗っからないなら、BOLTは貴重な存在だと思います。

魅力あるアメリカンだから残っているのかもしれません。

バイク生活にまつわる出来事