バイク用ジャケット安全基準

バイク用のジャケットやパンツ、スーツのCE規格は、EN 13595「Protective clothing for professional motorcycle riders – Jackets, trousers and one-piece or divided suits」です。

CE EN 13595の規定

以下の基準がEN 13595で規定されています。

  1. プロテクターの位置(必須とする場所)
  2. 耐摩耗性(路面に擦り切れて穴が開くまでの秒数)
  3. 防刃性(尖った物が突き刺さる深さ)
  4. 引裂強度(生地の引き裂きにくさ)
  5. 破れにくさ(縫い目やファスナーの強さ)
  6. 染色堅牢度(色落ちしにくさ)
  7. 動きやすさ
  8. 脱げにくさ(衝突時に脱げたり、まくれたりしないか)

プロテクターの位置(必須とする場所)

en-13595-zone上記の1から3までは、右図の4つのゾーンに分けて規定しています。

ZONE 1(赤)の部分はプロテクター必須

ZONEによって、異なる保護基準が決められています。

例えば、刃物のような金属が飛んできて突き刺さる試験は、
ZONE 1(赤)とZONE 2(黄色)は時速100㎞での飛来を想定、
それ以外は時速72㎞での飛来を想定、
といったように基準が想定されています。

位置ずれが20%以内という基準もあります。

耐摩耗性

生地を研磨ベルトで削って、穴が開くまでの時間が、規定されています。転倒時に路面等で簡単に擦り切れてしまわない性能が求められます。

防刃性(尖った物が突き刺さる深さ)

鋭利な金属を高速でぶつけて、食い込む深さが規定されています。

引裂強度(生地の引き裂きにくさ)

生地を引き裂くのに必要な力が、規定されています。
擦り切れにくい素材であっても、素材が引き裂けてしまうと保護できないので、裂けにくさも規定しています。

破れにくさ(縫い目やファスナーの強さ)

素材が裂けにくさだけでなく、縫い目やファスナーからの裂けにくさも規定されています。

ISO 3377: 1975で試験して、100N以上の強度があるか
ISO 4674:1977で試験して、70N以上の強度があるか
といった具体的な規定があります。、

染色堅牢度(色落ちしにくさ)

保護性能とは関係ないとおもわれますが、色落ちしにくい染め方であることも求められています。

動きやすさ

着衣して状態で、以下の確認を行い、全てクリアすることが規定されてます。

  • 両手でハンドルを握った状態で、後ろを振り向けるか
  • 乗車姿勢で、腕が水平になるまで真横に伸ばせるか
  • 前に90度屈めるか
  • 屈んで小さな物をひろえるか
  • ブーツを脱いだり履いたりできるか
  • ファスナーを操作できるか
  • アジャスターを調整できるか
  • プロテクターが動きを妨げないか
  • 乗車姿勢で、背中や膝がきつくないか
  • 小走りできるか(時速7キロ程度で歩けるか)、
  • 階段を登れるか

脱げにくさ

衝突時に脱げたり、まくれたり、ズレたりしてしまわずに、保護機能を発揮できることが求められています。

以下のような規定があります。

  • 袖が6cm以上ずり上がってしまうことがないか
  • 膝が1㎝以上ずりあがってしまうことがないか
  • 上下を腰でつなぐスーツは、力を加えても、ジャケットとパンツの間に20㎝以上の隙間が空かないか
  • 上下セパレートのスーツは、ジャケットとパンツの間に隙間が無いか

EN 13595な、試験方法も含めて、以下の4つのパートに分かれてます。

  • EN 13595-1 Part 1:General requirements 
  • EN 13595-2 Part 2:
    Test method for determination of impact abrasion resistance
  • EN 13595-3 Part 3:
    Test method for determination of burst strength
  • EN 13595-4 Part 4:
    Test method for determination of impact cut resistance


バイク生活にまつわる出来事