バイク用レインスーツ

ゴールドウィン Gベクター2 コンパクトレインスーツ GSM12512を買った理由と使った感想です。


[1] 水を内側に通さない

1-1 耐水圧はまずまず

耐水圧の一般的な目安として以下のような数値があります。

20,000mm – – – 嵐でもOK
10,000mm – – – 大雨もOK
  2,000mm – – – 中雨でもOK
    300mm – – – 小雨ならなんとか

立ったまま普通の雨に濡れているだけなら10,000mmを超える耐水圧いりませんが、時速120㎞で走れば、風速33m強なので、「強い台風」と気象庁がランク付けする台風の中心付近の風速と同じです。

耐水圧1万㎜は、生地1平方センチに 1万mm(10m)の水圧をかけても浸みない性能です。耐水圧の試験方法は、JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法 」で定められています。

そんなわけで、耐水圧が1万を超える素材がいろいろあります。

防湿透湿素材比較耐水圧が高いのは、

  • 45000mm GORE-TEX
  • 20000mm ベクターG2

です。

ベクターG2を使っているゴールドウィン レインスーツ GSM125121を着て、日中雨の中を走りましたが、水が浸みてくることはありませんでした。

1-2 パンツの耐水圧も重要

体重75㎏の人が静かに座ると、お尻に2000mmの圧力がかかります。座ったまま動けばさらに上昇します。

登山用ならザックの重さがかかるジャケットの耐水圧が重要でしょうが、バイク用だと、お尻に押しつぶされるパンツの耐水圧のほうが気になります。

シートとお尻の間には、体重の圧力だけでなく、生地が伸びることによる耐水圧が低下もあるので、耐水圧は高いほうが安心です。

GORE-TEX やエントラントなどは、、水は通さず、蒸気だけは通すミクロの穴が開いているのので、生地が伸びたり、圧力かけたりすると、水が通ってしまいます。

レイヤー構造にして、伸び対策している製品もあるようです。


[2] 蒸れない素材

汗の量の目安としては、以下のような目安があります。

  • 大人の安静時  :   約50g (1時間あたり)
  • 軽い運動した時 : 約500g (1時間あたり)
  • 本格的運動時  :約1,000g (1時間あたり)

体質や季節、服装で大ききことなりますので、ザックリとした目安です。

透湿性:6,000g/㎡・24hあれば、表面積2㎡のスーツで、1時間あたり500g排出できるので、蒸れなさそうです。

ゴールドウィンのGベクター2の透湿性:4,500g/㎡・24hなので、表面積が2㎡あるとしたら、1時間あたり375g。軽い運動でかく汗を外に逃す量ではないけれど、ベンチレーションもあります。

ゴールドウィン レインスーツ GSM125121を着て、外気温21度から24度の8月の高原を半日走ると、やや蒸れました。蒸れて濡れるほどではなく、ムシムシする感じがする程度なので、許容範囲でした。

透湿性が高い素材には、

  • 13,500g/㎡・24hGORE-TEX
  • 10,000g/㎡・24h:エントラントDT
  •  8,000g/㎡・24hエントラント

とか、いろいろあります。

初期透湿性の数値は違いますが、使っていると決定的な差ではなくなってきます。毎回新品を使えるなら良いのですが。

ENTRANT GII (GII-XT、DT)、DRYTECH (DRYLIGHTTECH)、HYDROBREEZE は、外側の素材に、多孔質のウレタンをコーティングします。

GORE-TEX、DIAPLEX、DERMIZAX、SUPER PROTEINTEXなどは、多孔質の薄い膜(メンブレン)を貼った構造です。

GORE-TEXはフッ素樹脂(テフロンとして有名なPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、Poly Tetra Fluoro Ethylene, PTFE) を熱して伸ばした膜(メンブレン)と、別のふっ素ポリマからできているそうです。

GORE-TEXは可燃性の素材なので、テント用として使用することが、アメリカでは禁止されています。

2-1 内側の素材も大切

裏側にメッシュがあるのは、汗などで濡れたインナーウェアとレインスーツの間に隙間を設けて、気化した水分が外に出やすくするためです。

防水素材の内側に汗でびっしょり濡れたシャツが直接張り付くと、液体の水が防水素材のミクロの穴をふさぐので、気化した水が出ていけず、透湿性が損なわれます。

コンパクトであることを重視して、内側のレイヤーやメッシュを省略した2レイヤーのバイク用レインスーツもありますが、汗や雨で濡れたウエアの上に直接に着るのは微妙です。

2-2 ベンチレーション・通気・換気口

素材の透湿性だけに頼らず、ベンチレーションがしっかりしていると安心です。


[3] 水をはじく

防水素材の外側の素材が、撥水性をもっていて濡れにくいことは、透湿性を保つために、最も重要です。

防水性の面でも、外側でハジク(撥水する)と、内側の防水素材の負担が小さくなるので有利です。

とはいえ、撥水性が無くても、内側の防水ライナーで水の侵入はブロックします。外側の素材は濡れても、中まで水は届きませんので、防水性のだけ考えると、撥水性は最重要事項ではありません。

透湿性の確保の面では、撥水性は重要です。
防水素材の外側に濡れた素材があると、蒸れた空気が外に出ていけないので、透湿性が損なわれます。

外側の素材が広範囲に濡れると、広範囲に水の膜で覆われた状態になるので、水蒸気がGORE-TEXなどのライナー素材を通過して外に出て行けず、中が蒸れ放題になります。

GORE-TEXなどの防水膜の外側の生地(たいていナイロン)に撥水性を持たせるために、撥水加工をします。

ゴールドウィン レインスーツ GSM125121は、コロコロ水を弾きます。

レインスーツ着たままジャンプすると、表面の水玉が、コロコロと全部落ちていきます。

何回も使用した後にどうなるかは、未知です。

3-1 汚れは落とす

使用により汚れ等が付着すると、はっ水効果が得られなくなるため、使用後は表面の汚れをしっかりと落とすことが必要です。

洗剤で洗った後、すすぎ不十分で界面活性剤が残ると、撥水性が損なわれますので、ゆすぎも大切です。

外側の撥水性が失われてびっしょり濡れると、外側の素材にしみ込んだ水が、水蒸気の通過を阻みます。
雨粒かコロコロ玉になって流れていくレベルの撥水性を確保してきたいところです。


[4] 性能低下対策

使用時しているうちにして機能は少しづつ低下します。

お尻がシートにこすれて表面が摩耗、風でバタついて摩耗、洗濯で摩耗、洗剤の界面活性剤が残って劣化、汚れて撥水性性低下などの原因で、撥水性が失われ、それにつれ透湿性も低下していきます。

撥水性を付加させる防水スプレーで撥水性を維持する必要があります。

ライナーの耐水性も、折れ目、縫い目などから劣化していきます。

台風並みの風を受けて走る場合は、耐水圧が3万くらいあると多少劣化しても安心です。

4-1 長く使うより買い替え

劣化しても使える耐水圧4万㎜のレインウェアを3万円で買って4年間使うより、1.5万円のレインウェアを2年毎に買い替えたほうが良いと思い、ゴールドウィン Gベクター2 コンパクトレインスーツ GSM12512を選びました。

ゴールドウィンのGベクター2の初期耐水圧:20,000mm以上なので、まずまずです。


[5]開口部からの浸水対策

5-1 袖口からの侵入対策

風で袖が膨らんで浸水しないように、しっかりと袖が絞れる構造が必要です。テープ、紐などでしっかり絞れるとなお安心です。

ドローコードは、ストッパーがついていると安心です。

袖口をゴムで絞る方法は、バイク用としては適切ではありません。ゴムは柔らかいと風で膨らんんでしまうし、高速でも膨らまないようにするために、手首に跡がのこるほど強力なゴムにするのは、微妙です。

二重袖などの対策もあると安心ですが、着る時の手間は増えます。

ゴールドウィン レインスーツ GSM125121で、1日雨の中を走りましたが、袖口やエリからの浸水はありませんでした。

5-2襟首からの侵入対策

バイク用は、エリを高くして、ヘルメットとエリの隙間からの浸水を防ぐ製品が多いように思います。

Gベクター2 コンパクトレインスーツ GSM12512も、エリが高くなっています。

首に密着する内エリ、その外側に装着してヘルメットの下まで届く長い外エリ、の2重エリになった製品もあります。

レインスーツのフードをかぶってからヘルメット装着して、襟首から浸水予防をしてみると、インカム聞こえにくいし、とても被り心地が悪いのでやってません。

口元まで覆うフードで、喉元からの浸水対策をすると、シールドが曇って大変だったので、これもやめました。

首にタオル巻いておいて、濡れたら小まめに交換という手は、短時間の走行や小雨なら有効です。タオルがグッショリになってしまうと中にしみてきます。


[6]バイク用のレインスーツならではの対策

6-1 風対策

アジャスターが、腕やボディにあと、高速でもバタバタしにくくなります。

パンツの裾もしっかり絞れるとバタつかず安心です。

時速120㎞は、風速33m強なので、「強い台風」と気象庁がランク付けする台風の中心付近の風速と同じです。登山中なら山小屋に避難するか下山する風の強さです。

風対策のない普通の雨具ではちょっと不安です。

6-2 防水 ジッパー/防水フラップ

防水ジッパーだったり、合わせ目をフラップでぴったりガードする構造だったりするとバイク用としては、安心です。

ホックだけで止めるような製品は、水が浸入するだけでなく、風圧にも耐えられません。

6-3 パンツの長さと幅

バイクに座って膝を曲げた状態でブーツの上からしっかりカバーできる長さが必要。ブーツに届かないと、靴の中びしょ濡れです。

ブーツを上からカバーできる裾の幅も必要です。レインパンツをブーツインすると、ブーツの中は悲惨です。

6-4 丈・背中の長さ・前の長さ

バイクに乗った状態で、パンツとジャケットが十分重なる長さが必要です。

ジャケットの着丈が短いと背中から浸水です。

長すぎると、お腹側がだぶついて、雨水が溜まる器のような形になるので、長すぎも微妙です。

たバイク用のジャケットには、背中側を長く、お腹側を短くした製品もあります。

Gベクター2 コンパクトレインスーツ GSM12512も、お腹側より背中側が数センチ眺めになっています。

6-5 シームレスなお尻

スレや摩耗対策は、登山用ならザックの肩ひもがあたる肩部分でしょうが、バイクはお尻です。

シートと擦れるお尻部分にに縫い目が無いように裁断している製品があります。


[7] 乾きやすさ

連日雨の時は、夜部屋に干して、朝にはシャキッと乾いていて欲しいです。どうせまた濡れますが、濡れた状態からのスタートよりマシです。

レインスーツはドライヤーやアイロンなどで熱して乾かすと痛みそうなので、自然乾燥でどれだけ乾くかです。外側が濡れて、内側で防水するようなタイプは、乾きが悪いです。防水性だけじゃなく、撥水性の重要性感じます。

全部の希望を満たす製品は無い?

撥水性や透湿性は、いい製品がありますが、風対策、袖口の対策、背中の長さ、乾きやすさなどにこだわり、長期間使用しても劣化しない製品となると、選べる製品が無くなってしまいます。

どこかを妥協だと思っています。

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