ヘルメットのJIS規格

ヘルメットのJIS規格は、経済産業省が規定する乗車用ヘルメットの最新規定は、2015/10/20発行のJIST8133:2015です。一つ前がJIS T 8133:2007 です。

2種類、4形状のヘルメットを規定しています。

1種:125cc 以下用 形状は「ハーフ」と「スリークォーターズ
2種:自動二輪車用  形状は「オープンフェース」と「フルフェース

安全性能

以下の5つの性能を規定しています。

  1. 衝撃吸収性能
    • 試験方法 ヘルメットに頭の重さ(60cmサイズで5.6㎏)の重りを入れ、合計8回落下させる。
      • 1か所あたり2回
        1回目は秒速7.0m
        (時速25.2㎞、高さ 2.5 mからの落下相当)で衝突させる
        2回目は秒速5.0m
        (時速18㎞、高さ 1.28 mからの落下相当)で衝突させる
      • 4か所に対して合計8回
        2回1セットの衝撃試験を、4か所行う。
      • 平面と凸面にぶつける
        4か所の内2か所は平面状アンビルに、2か所は半球状アンビルに衝突させる。
    • ピーク値の基準
      頭に伝わる衝撃が最大(ピーク)で300G以下
    • 継続時間の基準
      150Gを超える衝撃が頭に加わるが時間が4ミリ秒以内
      右のグラフ(Wayne State Tolerance Curve)の上側は脳に致命的な障害が生じるレベル
      衝撃持続時間4msecの所の赤線をみると、130G以上で危険なレベル。4msecの間150G以上だと、生命に危険があるレベルギリギリ。
      (1種は1.72mからの落下で150G超が6ミリ秒以内)
    • 試験実施の後,使用者に危険であるような破壊又は変形をしないこと 
  2. 耐貫通性能
    先のとがった3㎏のストライカを2m(1種は1m)の高さから落下させてヘルメットに衝突させた時、ストライカの先端が頭に触れる深さまで突き刺さらない)
  3. シールド強度
    (直径3.7cmで重さ200gの鉄球を1mの高さから落として、シールドに衝突させた時、鉄球が貫通したり、シールドが2つに割れたりしない)
  4. ストラップの強さ
    ストラップに15㎏の重りをぶら下げた状態で10㎏の重りで衝撃を加えても、ストラップが3.5cm以上伸びないこと。衝撃を加えたは長さは元に戻り2.5cm以上長くなっていないこと。
  5. 脱げ落ちにくさ
    ヘルメットの後ろを、斜め前上方に規定の力で引っ張っても脱げないこと。

保護範囲

ヘルメットで覆って保護する範囲も規定しています。

2種ヘルメットの保護範囲は、右図の緑の部分が保護範囲です。

1種ヘルメットは右図のACFから上の部分です。

衝撃試験を行う義務のある範囲は、1種、2種ともに緑の保護範囲の上部にある、黒の斜線の範囲だけです。

形状・形

形や外形についても規定しています。

形状規定の例
  • 滑らかな形状であること
    • 外側表面が滑らかなこと
    • 外側に5㎜以上の突起が無いこと
    • 外部突出物は滑らかで,かつ,流線形であること。
    • 凸部や段差は,面取りなどをして、引っ掛かりにくい構造にすること
  • 規定の視野を確保すること
    • 左右105度で合計210度以上
    • 上方向7度で下45度合計52度以上
  • あごひもにチンカップが付いていないこと
  • シールド開放角
    (シールドが上に大きく開かない。右図で5度まで)
  • 外の音が聞こえること

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