海外ツーリング:バイク保険

一般的な内容の海外旅行保険では、レンタルバイクやレンタカー運転中の事故は補償対象外なので、海外で、レンタカーや、オートバイを運転する時の保険を調べました。

運転中の事故の際に欲しい保険は4つです。

  1. 自分のケガ治療費   (人身傷害保険)
  2. 相手のケガ治療など (対人保険)
  3. 相手の車などの物損 (対物保険)
  4. 自分の車の物損補償 (車両保険)

人身傷害保険対人保険対物保険車両保険

人身傷害は海外旅行保険が良い

自分のケガの治療費は、海外旅行保険でカバーされます。

レンタルバイクやレンタカーを運転中の事故も対象です。
偶然な事故によるケガによる治療の対象となっているので、治療費が保険金でカバーされます。

ただし、無免許・飲酒運転など正常な運転が出来ない状態での事故によるケガは、対象外なので保険金はもらえません。

レンタカー会社の保険

レンタカー、レンタルバイクを借りる時に保険をつけることもできます。

海外旅行保険で、人身傷害をカバーしているなら、さらに上乗せする必要はないかもしれません。

ニュージーランドではACCが医療補償

ニュージーランドでレンタルバイクやレンタカーを運転中に怪我をした場合、ACC: Accident Compensation Corporation というニュージーランドの総合補償制度により、治療費が補償されます。

日本からの旅行者も自動的にACCの対象となり、医療補償を受けられます。

事故であれば、交通事故でなくても、料理中のやけど、スポーツ中の骨折、重い荷物を持ちあげた際のぎっくり腰などもの治療費もACCが支払ってくれるようです。
ACCでの補償対象になるかどうかは、治療を施した医療機関が判断しACCが承認します。
基本全額補償ですが、初診料や治療費の一部、ACC手続き費用などが自己負担となることもあるようです。
ACCやニージーランドの医療については、在オークランド日本国総領事館のページに説明があります。
ACCがあっても、海外旅行保険があると安心

なお、治療はニュージーランド国内で受けるものに限られ、日本に帰ってきた後の医療費は対象外です。

海外旅行保険があれば、ACCでカバーされない以下の費用もカバーできます。

  • 帰国後や第三国で治療をした場合の費用
  • 日程を変更して帰国するための交通費や宿泊費
  • 国際電話料などの通信費
  • 救援費用(救援者の現地までの航空機等の往復運賃、宿泊費など)

対人は海外旅行保険ではダメ

運転中に起きた事故の場合、相手のケガは、海外旅行保険でカバーされません。
海外でレンタカーやレンタルバイクを運転中の事故は、海外旅行保険の対物補償の対象外です。

航空機、船舶、車両、銃器の所有、使用に起因する場合は保険がもらえません。

海外駐在員むけの海外旅行団体保健だと、運転中の対人賠償も補償する保健もあります。JI損害火災の駐在員向けの海外旅行保険は、契約期間が1年単と長期なため、保険料も1年分で30万程度まとまった金額になります。

 レンタカー特約で補償される場合

海外旅行保険には、レンタカー特約と通称される「自動車運転者損害賠償責任危険補償特約」などの特約があり、特約をつければ、運転中の事故はカバーされます。

このレンタカー特約は、対象国と対象レンタカー会社を限定しています。
カバーしているのは、米国またはカナダで特定の会社からレンタルした場合です。

エイビス社、トヨタ社、アラモ社、ジャパンレンタカーグアム社、ナショナル社、ダラー社、ニッサンレンタカーグアム社、バジェット社、ハーツ社、ニッポンレンタカーグアム社

この範囲であれば四輪のレンタルでも自動二輪のレンタルでもレンタカー特約で賠償責任額と争訟費用等はカバーしてくれます。

国のやレンタル会社の限定が無いレンタカー特約は、ニュージーランドを対象国にするレンタカー特約もみつかりませんでした。

ニュージーランドではACCが良い

ニュージーランド独自のACC: Accident Compensation Corporation という総合補償制度により、相手の治療費が治療費が補償されます。

ACCの補償金の対象には以下のものが含まれます。

  • 相手の治療費や通院費、リハビリ費用
  • 相手の人が、ケガで一週間を超えて働けなくなった場合の補償
    (賃金の80%をACCが払う)
  • 就業支援・再訓練、社会復帰のリハビリ、自立支援・介護サービス
  • 障害が残った場合の保障
    (一時金、車椅子生活になった場合などは家や車の改造費用)
  • 相手がお亡くなりなった場合の死亡保障
    (葬式代、生存被扶養者への所得補償)

レンタカー会社の保険

レンタカー、レンタルバイクを借りる時に各種保険をつけることもできますが、ニュージーランドではACCがあるので、対人保険はいらいないようです。

ACCがあるから対人保険が無い

自動車事故による損害賠償を個人に問わないことを目的にした事故訴訟法(Accident Compensation Act )が1972年に成立して、ACCによる事故補償が始まったそうです。

このような目的をもったACCによる事故補償があるために、ニュージーランドでは事故により傷害を被っても、原則として訴訟を起こすことはできず、個人が訴えられることもありません。
そのため、ニュージーランドでは対人賠償保険を含む自動車保険が無く、自動車保険=対物保険だそうです。

対物では海外旅行保険は頼れない

海外でレンタカーやレンタルバイクを運転中の事故は、海外旅行保険の対物補償の対象外です。

レンタカー特約も、カバーできる国とレンタカー会社が限定されていることは、対人保険と同じです。

対物は、レンタカー会社の保険が良い

自動車損害賠償保険(対人・対物保険)

たいていのレンタカー会社が対物保険を提供しています。国によっては、義務だったりもします。海外旅行保険を頼れない時は、レンタカーを借りる時に加入しておいたほうが安心です。

ニュージーランドの自動車保険の種類と内容は、ACCによる安全運転啓もうサイトに説明が載っています。

ACCによると、種類は3種類に分類されるようです。

Third Party (TPO)
・相手に車などへの物損補償
Third Party, Fire and Theft (TPFT)
・相手に車などへの物損補償
・自分の車両が盗まれた場合の補償
・自分の車両が火災にあった場合の補償
Comprehensive (Fully Comp.)
・相手に車などへの物損補償
・自分の車両が盗まれた場合の補償
・自分の車両が火災にあった場合の補償
・自分の車両が事故で壊れた・場合の補償
・事故に自分の車両を回収する費用

TPOでも、TPFTでも、相手に車などに対する対物補償はありますが、自分の車両の損害もカバーするComprehensive (Fully Comp.)保険に入った方がよさそうです、バイクやレンタカーを借りて自分で運転する時。

ニュージーランドでは、アメリカのように対物保険をLPと呼称してはいません。

保険の名前は、同じ英語圏でも様々です。同じ英語圏でも用語が違います。

  • LDW:事故および盗難保険(LOSS DAMAGE WAIVER)
  • CDW:事故のみを対象とした車両・対物保険、盗難は対象外
    (車両・対物事故免責額補償制度:COLLISION DAMAGE WAIVER)
    • ZDC:CDWの免責額をゼロにする保険
  • LP :対人、対物補償 (自動車損害賠償保険: AUTOMOBILE LIABILITY AND PROPERTY PROTECTION、通称LP)
    • SLI:LPの不足分をカバーするオプション保険
      (追加自動車損害賠償保険: Supplemental Liability Insurance )
    • LSI:LPの保証をアップさせるオプション保険
      (Libabillity Insurance Supplement)
  • ALI:追加自動車損害賠償保険、補償額(保険金)の上限アップ
  • PAI:搭乗者傷害保険
    (Personal AccidentInsurance)
  • PAE:搭乗者傷害保険・携行品保険
    (Personal Accident/Effects Insurance)
  • PPP:搭乗者傷害保険・所持品盗難保険
    ( Personal Passenger Protection )
  • PEC:レンタカー利用中の荷物の盗難、破損による損害を補償する保険
    (Presonal Effects Coverge)
  • BPP:搭乗者傷害保険
  • TP :車両盗難保険
  • NOC:ノン・オペレーション・チャージ

国毎に用語は違いますが、同じ国のレンタル会社の保険内容を何社かの見ていると、用語も表現も同じで、共通する内容があります。
それが、その国の標準的な内容だと思われます。

その標準的な内容の補償を提供していない会社があったとしたら、その会社からは借りないほうが良いと思います。
見劣りのする補償しかないレンタル会社も、パスをしたほうが良いと思われます。

車両保険は海外旅行保険ではダメ

海外旅行保険のレンタカー特約で対人・対物補償が受けられる場合でも、借りた車(受託品)に対する損害賠償責任は対象外になっていまが

車両保険となるような特約も見つかりませんでした。
車両保険として、海外旅行保険は使えません。

バイク/レンタカー会社の保険が良い

レンタカー・バイク会社が車両保険を提供していいます。
車両保険をCDW と呼ぶ国が多いようですが、ニュージーランドではCDWとかLDWとは呼びません。Comprehensive (Fully Comp.)と呼んでいます。

ACCが運営するサイトの情報によると、ニュージーランドでは自分の車の損害を補償する車両保険は必須ではないそうです。

トリップアドバイザーの情報では、CDWと盗難保険なしで貸出をすることはできないとなっていますが、ACCはニュージランドの公的機関なので、ACCサイトの情報が正しいのだと思われます。

オーストラリアではLDW/CDWは自動的に加入されているが、アメリカ、カナダではオプションとか、国毎に状況が異なります。

免責額に注意

ニュージーランドでバイクを借りると時、追加オプション払わないと、免責額は3500NZD(約30万)前後になります。
ニュージーランドでは、免責額をEXCESS と呼んでいるようです。

免責額約30万円は自腹にります。
免責金額(自己負担額)を超えた分が、保険金額の上限まで範囲で保険会社が負担です。

レンタカーやバイクを借りる時のオプションで保険料金を追加すると、免責額が小さくなります。
1日20NZD(約1600円)程度の料金を払うと免責額は数万円程度に小さくなります。

ユニークな車両保険:Kea parrot 保険

ニュージーランドにケア(Kea)という野生のオウムがいます。バイクのシートに穴をあけるそうです。
クチバシで穴を掘るし、シートにとまっただけでも鋭い爪で穴があくそうです。
この被害をカバーするのがKea parrot 保険です

上記のような調査をした結果、ニュージーランドで運転する時の保険として、レンタルバイク・レンタカー会社から車を借りる時にComprehensive (Fully Comp.)保険に加入し、免責額を下げてオプションにも入っておくことにします。

Comprehensive (Fully Comp.)保険以外にも、事故以外の怪我や病気、盗難などへの対処してて海外旅行保険にも入ります。

楽天ブラックカードについている海外旅行保険は、保険は、死亡保険金1億円、後遺障害保険金1億円、疾病治療保険金300万、傷害治療保険金300万円でした。

海外でレンタカーを運転中に起きた事故に特化した保険を扱うRentalCover.comというサイトもありました。しかし、自動二輪のレンタルは対象外でした。スクーターやモペットも対象外です。