軍用ヘルメットは軽くて強靭

米軍が戦場で使うヘルメットは、バイク用ヘルメットより軽量化されています。

アメリカ陸軍のViper P2の重さは、Mサイズ(53.5-56.8㎝)の帽体が1015 gです。

防弾バイザーや、軍用アクセサリー取付け用のレールやマウントをつけて、フル装備にしても、1215 gです。

軽さがウリのフルフェイスヘルメット、SHOEI Z-7(1375g)より、Viper P2のほうが、軽量です。

旧型のAdvanced Combat Helmet:高性能戦闘用ヘルメットTC 2000でも、帽体の重さはMで1361g、Lで1474gでした。

ポリエチレンだけど、防弾

新型ヘルメットのViper P2は、もはや金属製ではなく、特殊ポリエチレ
(UHMWPE:Ultra-High-Molecular-Weight PolyEthylene 超高分子量ポリエチレン)製です。

ポリエチレンですが、軍用規格のSTANAG 2460も2920などもクリアしていて、弾丸を防ぎます。

9mm のFMJ(フルメタルジャケット)RTP弾(約7.5グラム)が秒速427mで5発当たっても、防ぐそうです。

5.56mm×45弾(約4.4グラム)なら、秒速550mでも大丈夫です。

マッハ2を超える秒速750mの超音速の飛来物でも、1.1グラムまでなら耐えられるそうです。

弾丸をハジクのではなく、凹んで受け止めて、元に戻りながら跳ね返すような挙動をするようです。

帽体と頭の間には空間があるので、凹んでも頭に問題はありません。

素材が決め手

新型ヘルメットのViper P2に使われるUHMWPE( 超高分子量ポリエチレン)は強靭な素材だそうです。

  • 糸にすると、ピアノ線はもちろん、ケブラーや、炭素繊維より強靭
  • ベルトドライブにも使われている
  • ステンレスより耐摩耗性に優れている

といった特性があります。

UHMWPEは軽い

比重は0.93から0.97であり、水に浮く軽さです。
ケブラーの比重は1.4から1.5であり水より重いので浮きません。
アラミド繊維も水より重く、炭素繊維の比重は水の約2倍、ガラス繊維は水の比重の3倍ほどの比重があります。、

旧型の高性能戦闘用ヘルメットTC 2000は、ケプラーと、パラ系アラミド繊維「トワロン」を使って、帽体の耐衝撃性を確保しています。

バイク用はFRPが主流

SHOEIやARAIのバイク用ヘルメットは、FRP(繊維強化プラスチック)を使っています。FRPの主要素材は、繊維と熱硬化性樹脂です。

FRPに使用する繊維の選択には、各社が知恵をしぼっています。ガラス繊維、カーボンファイバー、ケブラーなど様々な素材が使われています。

ARAIは、高分子量ポリエチレンの「ダイニーマ」も使用しているようです。

衝撃吸収ライナーは、発泡スチロールが主材です。

SNNELL規格を凌駕する

ヘルメットのSNELL規格は、ヘルメットが150ジュールの衝撃に耐えられるか試験します。

衝撃は、弾速×弾速×弾頭重量÷2000なので、5.56mm×45弾(約4.4グラム)なら、秒速550mでヘルメットに着弾した時の衝撃は、660ジュールになります。

660ジュールの衝撃に耐えてしまうViper P2は、150ジュールの衝撃に耐えるSNELL規格のヘルメットより丈夫です。

1.1グラムの飛来物が、秒速750mの超音速で飛来した場合の衝撃は309ジュールになります。
衝突する物体が小さくなると、狭い面積に衝撃が集中するので、低いエネルギーで貫通しやすくなります、それでもSNELL規格のの2倍の衝撃に耐えます。

個人で購入可能

マッハ2で弾丸が飛んでくる弾丸との衝突は、バイクに乗っているだけだと経験しそうもないですが、欲しい場合は、個人でも新品が買えます。

1個 $997.99(12万円)で個人向けにもネット販売されています。

バイザーや、顎の保護(Mandible Guard)、各種マウントなどをもつけて、軍用フル装備にすると$1,977.98(約23万)になります。

バイザーにも防弾性能があり、キズ付きにくく、曇り止めにもなっているそうです。

顎の部分は、下に下がるようになっているので、かぶったまま食事ができるとのこと。

右の写真が食事モードです。
水が飲めるのは便利ですが、

ヘルメットしたまま道の駅とかで食事するのは勇気がいります。

アメリカ陸軍は、この新型ヘルメット約30万個を総額は9800万ドル(約111億円)で購入したそうです(CNNの報道)。1個3万7千円ほどです。

30万個も買うと、だいぶ安くしてもらえるみたいです。

SGマークは無い

Viper P2 ヘルメットは丈夫ですが、SGマークが付いていないSG非認定のヘルメットなので、公道で使用することができません。

バイクで使うとなると、風切り音や、風圧での揺れなども、どうなのか気になります。