プロテクターのCE規格の耐衝撃性試験で加える衝撃 50J(ジュール)で、鉄と鉄が衝突した時の衝撃力を計算すると、約200kN(キロニュートン)でした。
50Jのエネルギーは、5㎏の重りが秒速4.47メートル(時速16.2㎞)でv移動している状態です。
この重りが衝突して、0.001秒で静止したと仮定すると、衝撃値は
4.47(m/sec)÷0.001(sec)=4470 G(m/sec2)
になります。この時の衝撃力(質量×衝撃値)は
4470 G×5㎏ = 22390 kgf
22390 kgfは、重力加速度を9.8m/s2とすると、
22390 kgf×9.8m/s2=219422 N(ニュートン)
219422 N(ニュートン)÷1000=219 kN(キロニュートン)
になります。
衝突時間に関する補足
0.001秒で静止したとすることには何の根拠もありません。
衝突してから静止するまでの時間(衝突時間)は、ゴムやクッションのように柔らかい物体であれば、グニャッと潰れるてゆく時間がかかるので衝突時間は長くなります。
鉛と鉄では、硬い鉄のほうが、衝突時間は短くなります。
衝突時間が短くなりますが、衝突力が大きくなりますの、力が働く時間がと、力の大きさとを掛けあわせ力積は、変わりませんなりません(弾性衝突だと仮定)。
柔らかい物の衝突では、ジワッと時間をかけて受け止めることで衝突力が小さくなります。固い物の衝突では、ドンと一気に受け止めて大きな衝突力が短時間生じます。
鉄が鉄に衝突した時の衝突時間を、計算式から算出するのはあきらめました。
各種実験をみると、などだいたい0.001sec(1msec)程度のようなので、1msecと仮定しました。
下のグラフは、鋼材の半球の上に鋼の丸棒のを自由落下させ,丸棒の平坦な断面を衝突させた場合の衝撃力の時間変化のグラフです。
衝突時間は、だいたい1msecです。
下図は、鋼、コンクリート、ゴムへの重錘落下実験で計測された衝撃継続時間と落下高さの関係です。高さ(衝突時の速度)が変わっても、鉄やコンクリートのように固い物体への衝突時間の長さは、約1msecであり、ほとんど変化していません。
下図はボーリング球を衝突させた際の衝撃力の時間変化実測値です。衝突時間は、約1.3msec程度になっています。鋼材よりボーリング球のほうが柔らかいのかもしれません。