骨折452日目-抜釘術の説明

明日執刀する主治医の先生から抜釘手術の説明を受けた。

以下は先生からの説明

抜釘手術概要

麻酔をして、プレートを抜いて、できるだけ綺麗に縫うという手術です。

プレートと一緒に骨を縛ってある糸も取ります。

前回、傷口を縫う糸は溶ける糸でしたが、骨(を縛る糸)に溶ける糸を使っちゃうと逆効果なので、骨は溶けない糸で縛ってあります。

それを今回とってしまいます。

溶ける糸は、6から8週間で、だいたい強度が半分になってしまいます。

骨ができてくるのに3ヶ月はかかりますから、その頃には強度は4分の1になってしまいます。
最初か4倍の糸を巻いておけばいいのですが、溶けるにしたがって糸が加水分解を起こすので、腫れます。

そんなわけで、骨は、溶けない糸で縛ってあるので、今回それを取ります。

今回は残す糸がないので、抜糸はありません。も、傷口を縫う糸も、溶けてしまいます。

骨の現状

(レントゲン写真で骨をみながら)少し、まだな所もありますが、
全体のバランスが良いのと、
骨に少し仕事をしてもらおうということで、
やりましょう。

皮質化といって、ここ(表面の部分)が硬い骨になってきてもいます。

手術後回復するまで

抜けば穴が残るので(穴が塞がるまで)強度は落ちます。

もし、もう一回折れるとしたら、折れた所ではなく、ネジを抜いた穴のある所です。

骨が形成される(ネジ穴が塞がる)のはだいたい3ヶ月くらいですかね。

傷が痛いうちは三角巾をしていたほうがいと思います。

うーん、2週間くらいはそうしていてください。

皮膚感覚

傷口の周りの細かい神経が切れてしまいますが、ナーブブロージング

麻酔

アドレナリンとか聞いたことがあると思いますが、そういったお薬も使って、血を止めるための局所麻酔もします。

全身麻酔と局所麻酔の両方です。

ガスでの全身麻酔は、呼吸で抜けていきますが、局所麻酔は血を止めるだけでなく、代謝されるまで残るので、だいたい4,5時間は効いています。

施術のリスク

(感染)

バイキンが入って化膿する可能性もあるので、バイキンを殺す薬(抗生剤)を点滴しながら手術をします。
手術前から点滴して、体にまわって(抗生剤が)一番濃くなったタイミングで手術をします。

当日はもう一回、翌日は2回(全部で4回)点滴します。
だいたい、金曜日(手術翌日)のお昼頃に4回目(の点滴)が来ると思います。

(出血)

手術中出血はします。100ccは出ません、だいたい50ccから60ccくらいです。

400ccの献血ができる体力がある方なので問題ありません。

 

(金属疲労でネジが残るリスク)

ネジが金属疲労を起こしていると、途中で折れてネジの先端が抜けなくなることもあります。(レントゲンを)見た限りは、起きてないようですが、万が一そうなったら、折れた先端を残したままになります。

ネジの周りをグイグイ掘って折れたネジを取る器具もありますが、だいたい倍くらいの穴が開いてしまいます。足の骨のように太いところならそれでも大丈夫ですが、鎖骨だと骨の太さに対して穴が大きくなるのでやりません。

(アナフィラキシーショック)

麻酔、抗生剤、痛み止めなどでアナフィラキシーショックを起こすことが極まれにあります。

起きたら対処はできますが、麻酔を深くかけられなくなったりして落ち着かないので、手術は中断します。

その時は、ご本人は麻酔で意識ないので、ご家族に中止をお伝えします。

ハチに刺されると1回目ではなく、2回目が危なかったりしますが、前回大丈夫だったことが今回も大丈夫だという保証にはなりません。

どの薬がどう作用してどう起こるのは、よくわからないんです。

(肝臓や腎臓の負担)

麻酔を使いますので、肝臓や腎臓に負担がかかります。

手術後は、暴飲暴食をせず、大事にしてください。

(エコノミークラス症候群)

麻酔かけてずっと寝ていると、最近話題のエコノミークラス症候群になる可能性もあります。

手術後は足を(ベットの中で)積極的に動かしてください。起きて歩くようになれば、もうその心配はありません。

痛み止め

手術後の痛みは、座薬、飲み薬、注射の順番で考えましょう。

注射は効くのですが、呼吸を抑制してしまって、血液の中の酸素が低下してしまったりもします。

麻酔は、たくさん息をして息と一緒に抜けていきますので、呼吸を抑制したくはないです。