「CEプロテクター基準」カテゴリーアーカイブ

バイク用ジャケット安全基準

バイク用のジャケットやパンツ、スーツのCE規格は、EN 13595「Protective clothing for professional motorcycle riders – Jackets, trousers and one-piece or divided suits」です。

CE EN 13595の規定

以下の基準がEN 13595で規定されています。

  1. プロテクターの位置(必須とする場所)
  2. 耐摩耗性(路面に擦り切れて穴が開くまでの秒数)
  3. 防刃性(尖った物が突き刺さる深さ)
  4. 引裂強度(生地の引き裂きにくさ)
  5. 破れにくさ(縫い目やファスナーの強さ)
  6. 染色堅牢度(色落ちしにくさ)
  7. 動きやすさ
  8. 脱げにくさ(衝突時に脱げたり、まくれたりしないか)

プロテクターの位置(必須とする場所)

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CE規格の胸プロテクターは6種

CE規格の胸部プロテクターには、オフロード用胸部プロテクターと、オンロード用胸部プロテクター2種類、汎用基準2種類、胸部を保護するエアバッグ、合計6種類があります。

  • EN 1621-3 Level.1
  • EN 1621-3 Level.2
  • EN 14021
  • EN 1621-1 Level.1
  • EN 1621-1 Level.2
  • EN 1621-4

一般用胸部プロテクター EN 1621-3

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バイク用ブーツのCE規格

バイク用ブーツのCE規格は、EN 13634です。

CE規格EN13634が定めている基準は、以下のような内容です。

  1. 固さ  :倒れたバイクに足が挟まれても、靴が簡単に潰れないか
  2. 耐衝撃性: 足に受けた衝撃を、ブーツがどの程度緩和するか
  3. 耐摩耗性: 転倒時に路面で削れてしまうのを防ぐ耐摩耗性
  4. 耐久性: 通常の使用状態で簡単にすり減って穴ができない耐久性
    • ドライでの耐久性
    • 濡れた状態での耐久性
  5. 防刃性:尖った金属などが飛んできても、ある程度足を保護するか
  6. 丈夫さ :衝撃で靴がバラバラになってしまわないか
    • つま先が何かに衝突しても、靴底の簡単に剥がれないか
    • 縫い目・ツナギ目から簡単に分解しまわないか
    • 素材が簡単に裂けてしまわないか
  7. 大きさ :靴が保護する部分の広さ
    • 足首をカバーできる靴の深さがあるか
    • すね当ての大きさ、くるぶし保護部の大きさが規定以上か
    • シャーリングが大きすぎないか(脆弱なので小さい方が良い)
  8. 靴底の質
    • 靴底の厚さが規定値以上か
    • 靴底靴底の溝が、スリップ防止効果が期待できる深さがあるか。

といった基準を満たしたブーツが、CE規格のバイク用ブーツとして、CE認定マークを表示することができます。

それぞれの基準は、具体的には以下のように定められています。 続きを読む バイク用ブーツのCE規格

衝撃と人体への影響 -CEプロテクター

CE規格は、プロテクターの性能を、体に伝わる衝撃が何kN(キロ・ニュートン、ニュートンの千倍)になるかで決めています。

kN で言われても安全性がよくわからないので、調べてみました。

プロテクター無しだと即死するレベルの衝撃を受けた場合

  • バックックプロテクターLevel-1 で衝撃が緩和されて、18kNの衝撃を受けると、重症になる確率が70%中傷になる確率は100%
  • バックックプロテクターLevel-2 で衝撃が緩和されて、 9kNの衝撃を受けると、重傷になる確率は10%中傷になる確率が20%

という結論になりました。 続きを読む 衝撃と人体への影響 -CEプロテクター

プロテクターによる衝撃時間延長

プロテクターがあると、何も無い場合より衝突時間が長くなります。
衝突時間が長くなると、衝突で生じる衝撃力が小さくなります。

プロテクターCE規格で定められている試験は、鉄の台にプロテクターを置いて、鉄の重りをぶつけます。

プロテクターを置かずに鉄と鉄が直接衝突した場合の衝突時間は1msec程度です(鉄と鉄の衝突で生じる衝撃力)。

CE規格 EN1621準拠のプロテクターを間にはさんで、鉄と鉄を衝突させた場合の衝突時間は、SAS-TECの資料(下図)から読み取ると、おおよそ3msecから5msecです。 続きを読む プロテクターによる衝撃時間延長

CE規格プロテクタの保護性能 – CEプロテクター

CE規格プロテクタが、衝突や転倒などの衝撃を、どの程度緩和してくれるのかは、CE規格に定めれている衝撃試験で判断できます。

プロテクターのCE規格 EN 1621の認証試験では、50ジュールの衝撃を加えた時に、体に伝わる衝撃を計測して、下の表に記載した規定値以下になることを確認します。

    LEVEL 1 LEVEL 2
平均値 最大値 平均値 最大値
EN 1621-1:2012
プロテクター全般
35 kN以下 ~50 kN 20 kN以下 ~30 kN
EN 1621-2
バックプロテクター
18 kN以下 ~24 kN  9 kN以下  ~12 kN
EN 1621-3
胸部プロテクター
30 kN以下 ~45 kN  20 kN以下 ~12 kN
EN 1621-4
エアバック
4 kN以下 ~6 kN  2.5 kN以下 ~3 kN

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プロテクター CE規格

バイク用プロテクターのCE規格をまとめました。

バイク用プロテクターのCE規格は、プロテクタ衝撃吸収能力の下限を規定した規格4種と、バイク用ブーツの規格とバイクウェアの規格です。

  1. EN 1621-1(プロテクター全般のCE規格)
  2. EN 1621-2(バックプロテクターのCE規格)
  3. EN 1621-3(チェストプロテクターのCE規格)
  4. EN 1621-4(エアバックのCE規格)
  5. EN 13594 (グローブのCE規格)
  6. EN 13634 (バイク用ブーツのCE規格) 
  7. EN 13595 (バイクウェア(ジャケット、トラウザー、スーツ)CE規格)
  8. EN 14021 (オフロード用プロテクター、ルーストディフレクター)
  9. EN 1938  (バイク用ゴーグルのCE規格)

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