ヘルメットの安全基準、SNELL、JIS、DOT、ECEを比較すると、基準の厳しさ(=要求する安全性の高さ)は以下の順でした。
- ECE22-05 rev4(国連欧州経済委員会UNECEの規格)
- SNELL 2015 (SNELL財団の規格)
- JIS 2015 (日本政府が定める規格)
- DOT FMVSS 218 (アメリカ政府が定める規格)
サイズが60cmの ヘルメットの場合 |
ECE22-05 rev4 |
SNELL 2015 |
JIS 2015 |
DOT FMVSS 218 | |
加える衝撃 | 157.5J | 157.5J | 137.2J | 110J | |
頭部に伝わる 衝撃 |
最大値 | 275G 以下 |
264 G 以下 |
300G 以下 |
|
総量ないし継続時間 | 2400 HIC 以下 |
規定 なし |
150G超4msec以下 | ||
性能 試験 範囲 |
上部 | ○ 試験要 |
○ 試験要 |
○ 試験要 |
○ 試験要 |
下部 | ○ 試験要 |
不要 | 不要 | ||
フェースガード | ○ 試験要 |
不要 | 不要 |
- 落下させる高さ
- ヘルメットの中に入れるヘッドフォームの重さ・形状
- 衝突させるアンビルの形状(平面、半球型等)
- 衝突させる部位(試験対象箇所)
- 落下試験をする回数
頭に伝わる衝撃の許容値(ピーク値)が最も低い値はSNELLの264Gです。
試験範囲の基準が厳しいのはECEでした。ECEヘルメットの下部も含めて広く全体を試験基準になっています。他は上部だけです。
頭に伝わる衝撃の継続時間/総量を規定しているのは、ECEとJISだけです。
JIS規定の「150G以上の衝撃継続時間が4msec以下」という基準値は、生命の危険があるレベルギリギリです。。
右のグラフの上側が、生命の危険があるレベルでです。150Gで4msecは生命危険レベルギリギリです。ほぼ死んでしまうレベルだが、確実に死ぬわけではないというレベルです。
ECEの規定する「2400HIC以下」は重症以上の障害になる確率ほぼ100%、ひん死以上の確率は90%超、即死の確立80%というレベルの衝撃です。
HICは、頭に伝わる衝撃の積分値ですので、JISの規定する衝撃継続時間の規定より厳密です。