安全靴でバイクは危険

つま先に金属製のトゥーキャップ(先芯)が入った安全靴で、バイクに乗るのは危険だと、イギリスの運輸省が言っています。

イギリスの運輸省が道路利用者向けに開設しているサイトhttp://think.direct.gov.uk/にあるバイクライダー向けの安全ガイドには、鉄を使った安全靴を履いてバイクに乗らないで!と書いてあります。

Do not wear work boots with metal plates or toe caps. These can protect your feet in certain circumstances but are also capable of cutting through your toes.

安全靴のつま先や、靴底の鉄板で、つま先を切る危険があるそうです。

バイクの事故は、足を歩道にぶつける事故が多いとも「バイクライダー向けの安全ガイド」には書いてあります。
つま先ぶつけて、先芯の鉄が足にめり込むような事故は想像できます。

安全靴のJIS規格(JIS T8101)には、先芯に鉄を使うことを明示的に許容しています。下記はJIS T8101の抜粋です。

先しんは,表面をすべて平滑に仕上げ,へり及び角に丸みを付け,鋼製のものは,全面にわたってさび止めを施したものとし,寸法は次による

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  1. アーチ後端中央部と最先端部との水平距離 a は,H 及び S は 40∼60 mm,L は 30∼50 mm とする。
  2. 高さ b は,後端最高部において,H 及び S は 33 mm 以上,L は 28 mm 以上とする。
  3. 下辺折り曲げ部分は,ほぼ水平に折り曲げ,水平な底辺の幅 c は 3 mm 以上とする

釘などの踏み抜き防止用に鉄の踏み抜き防止板を使う安全靴もあります。

鉄を使った安全靴を許容しているJIS規格は、バイクでの事故を想定したものではなく、つま先への重量物の落下、釘などの踏み抜きから足を守るための規格のようです。

JIS規格(JIS T8101)での安全靴の定義は、「主として着用者のつま先を先しんによって防護し,滑り止めを備える靴。」となっています。

安全靴の規格

EUの規格、EN-12568「Foot and leg protectors ― Requirements and test methods for toecaps and penetration resistant inserts 」のnon-metal toe caps 条項準拠の安全靴なら、鉄のトゥーキャップは入っていません。

EUの安全靴の規格には、ISO 20345「 Personal protective equipment – Safety footwear」があります。
EN ISO 20345 には、保護性能に別に、下の表の区分がなされています。

ISO 20345は、金属製のトゥーキャップを許容していますが、メタルを使わないと、EN 12568のを満たす事ができます。

  Class Ⅰ
(100%ゴム、100%ポリエステル製以外)
Class Ⅱ
(100%ゴムs製か100%ポリエステル製)
SB 200 J の衝撃に耐えるつま先 200 J の衝撃に耐えるつま先
SBP SBの性能
+耐貫通性
 
S1 SBの性能
+踵を覆う部分が衝撃吸収性を持つ
+帯電防止
+耐油性
 
S1P S1の性能 
+ 耐貫通性
 
S2 S1の性能 
+透水・吸水性
 
S3 S2の性能 
+ 耐貫通性
+耐滑性靴底
 
S4   SBの性能
+踵を覆う部分が衝撃吸収性を持つ
+帯電防止
+耐油性
S5   S4の性能
+ 耐貫通性
+耐滑性靴底

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